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たまに、夢の続きをまた夢で見る。
……という気分の夢を見る。実際に続きであるか、それとも以前に見たはずの夢を、本当に見たかどうかは分からない。
階段横のベンチに寝転がる男がいて、彼は幸せそうな顔で眠っている。辺りの壁は白い。多分病院だろう。
男が幸せそうなのは、彼の妻が無事出産を終えたかららしい。付き添いで夜を明かし、今は気が抜けて一寝入りといったところか。
その男を階段上から見下ろす女がいる。男と知り合いであるかどうかは分からない。分からないが、彼女は流産をした経験があって、子が二度とできない身体である、というのは分かった。そして彼女は彼の子が無事産まれたことを知っている、というのも。
ねたみ、悔しさ、あるいはまた別のものの混じった液体が、彼女の眼球と眼窩の隙間から漏れる。
落下。男の顔面に当たる。
男は目覚め、直上の女の顔に気付く。
気付いて――
ってなところでおしまい。
前見たときは「寝てる男と階段上にいる女」っていう状況までしか見れなかったから、それよりは進展した。
しかし何だこのありがちな設定は。